SR400を検討するとき、いちばん気になるのは「自分にキックでかけられるか」ではないでしょうか。
SR400は、1978年から2021年まで、ずっとキックだけで作られてきたバイクです。キャブレター車もFI(インジェクション)車も同じです。そのかわり、キックでかけやすくするための仕組みが、最初から付いています。それを使えば、力に自信がなくてもかけられます。
いちばん大事なのは、この1つです
キックがかからない理由のほとんどは、位置を合わせずに踏んでいるか、途中で止めているかのどちらかです。力の強さは、あまり関係ありません。
かける前に、確認すること
- 靴。底のしっかりした靴で。サンダルやかかとのない靴は、足を痛めることがあります。
- キーをONにする。
- ギアがニュートラルに入っている。メーターの緑のランプ(N)が点いているのを確かめます。
- 右手のエンジンストップスイッチが「RUN」になっている。ここが止まる側になっていて、かからないことがよくあります。
- キャブレター車は、寒い日や、しばらく乗っていなかったときはチョークを引きます。
- FI車は、チョークの操作はいりません。
かけ方 ― 6つの手順
SR400には、キックのための道具が2つ付いています。
デコンプレバー
左ハンドル、クラッチレバーの下にある小さなレバーです(写真の黄色の丸)。握っているあいだは、エンジンの圧縮が抜けて、キックペダルが軽く動きます。
キックインジケーター
タンクのすぐ下、エンジンの上の方の右側にある小さな窓です(写真の黄色の丸)。キックを踏むのにちょうどいい位置に来ると、窓の中が銀色に変わります。
-
キックペダルを出す
エンジンの右下にたたんであるペダルを、外に開きます。
キックペダルを出した状態(黄色の丸)。ゴムの付いた先に足をのせます。
-
ゆっくり踏んで、重くなるところを探す
ペダルに足をのせて、ゆっくり踏み下ろします。途中で急に重くなるところがあります。そこで止めます。
-
デコンプレバーを握って、少しだけ送る
左手でデコンプレバーを握ったまま、ペダルをゆっくり少しだけ踏み込みます。キックインジケーターの窓が銀色になったところで止めます。
-
デコンプを離して、ペダルを上まで戻す
デコンプレバーを離し、足をゆるめて、ペダルをいちばん上まで戻します。
-
一気に、最後まで踏み抜く
ペダルを一番下まで、一気に踏み抜きます。途中で止めないのがいちばん大事です。
-
かかったら、ペダルをたたむ
キックペダルを元の位置にたたみます。キャブ車でチョークを引いた場合は、エンジンが温まってきたら戻します。
※ 写真は当店の在庫車(SR400 キャブレター車)で撮影しました。
※ かからなかったときは、2 の「重くなるところを探す」からやり直します。位置合わせをせずに何度も踏むより、そのほうが早くかかります。
うまくかけるコツ
- 足の力ではなく、体重で踏む。腰を少し浮かせて、体重をペダルにのせて踏み下ろします。力よりも、体重とスピードです。
- 最後まで踏み抜く。途中で止まると、エンジンが回りきらずにかかりません。
- サイドスタンドを出したまま、またがってかけます。左足は地面に着いておきます。車体が安定するぶん、踏みやすくなります。
「ケッチン」に気をつけてください
キックペダルが、踏んだ瞬間に勢いよく押し返されることがあります。これを「ケッチン」と呼びます。すねや足首を打つことがあり、SR400のキックでいちばん気をつけたいことです。
上の手順どおり、キックインジケーターで位置を合わせてから一気に踏み抜けば、起きることはあまりありません。手順を飛ばさないことが、いちばんの対策です。
何度やっても、かからないとき
まず、かける前の確認をもう一度見直してください。いちばん多いのは、次のような見落としです。
- エンジンストップスイッチが止まる側になっている。
- キーがONになっていない。
- ガソリンが少ない。
- キャブ車で、何度も踏みすぎた。ガソリンが濃くなりすぎて、かえってかからなくなることがあります(「かぶる」といいます)。少し時間を置いてからやり直してください。
- FI車で、バッテリーが弱っている。FI車はキックでかけますが、燃料を送るのにバッテリーの電気を使います。バッテリーが弱ると、キックでもかかりにくくなります。くわしくは バッテリーと電装 にまとめています。
キャブ車とFI車で、かけ方は違うか
手順は同じです。どちらもキックだけで、デコンプとキックインジケーターも両方に付いています。違いは、かける前の準備です。
| キャブレター車(〜2008年) | FI車(2010年〜) | |
|---|---|---|
| 始動 | キックのみ | キックのみ |
| チョーク | 寒いときに使う | いらない |
| 寒い朝 | チョークを引いて、少しコツがいる | 比較的かかりやすい |
| バッテリー | — | 弱るとかかりにくくなる |
始動のしやすさを重視するならFI車、キャブ車ならではの味わいを楽しみたいならキャブ車です。それぞれの車種ページで、年式ごとの違いと、いまある在庫をご覧いただけます。
「自分にかけられるか」不安な方へ
キックは、力よりも順番とコツです。小柄な方や女性で、SR400に乗っている方もいらっしゃいます。
納車のときにお伝えしていることは、納車説明について にまとめています。
あわせて読みたい
- SR400(キャブレター車)年式ごとの違いと、いまある在庫
- SR400(FI車)年式ごとの違いと、いまある在庫
- 納車説明についてキャブ車のかけ方・チョーク操作など
- バッテリーと電装寿命の見分け方、電圧の測り方、上がらせないコツ
- 日常点検(乗る前の3〜4分)車体を一周する見る順番
- 中古バイクの選び方走行距離・年式・キャブとFIの違い
SR400は、店頭で実物をご覧いただけます
「キックが不安で」というご相談も歓迎です。お電話かお問い合わせフォームでどうぞ。